スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

私って、CRPSなの? 3 (「症候群」って実は) 

 昨日、あれからつらつらと考えてみたんですが、医師によって診断が割れる(CRPSか、単なる神経損傷か)根本原因は、お医者さんの守備範囲の違い以上に、「CRPSの正体が分かっておらず、ちゃんとした定義ができない」ってことにありそうです。

 そもそも、CRPS(複合性局所疼痛症候群)の「S」、つまり「シンドローム(症候群)」というのは、パッと見は凄そうですが、実は「何か変なことが色々起きているけど、なんでこうなるのかハッキリしない。どういう病気か分かんないけど、何か名前がないと不便」という時に使われる言葉です。病名というより、ある一連の症状を起こすような未知の異常を、良く分かってる病気と区別するための便宜上の区分け、といった方が適切かもしれない。

 病気の正体が分かって入れば、病気は確定診断ができます。いや、できるというのは言いすぎで、技術的・時間的に難しい、ってことだってあるけど、少なくとも確定診断の方法は存在している。
 例えばがんだったら「細胞が突然変異して、際限なく異常増殖する病気」という正体が分かってます。だから、表に出ている症状が頭痛だろうが腹痛だろうが、はたまたまったく自覚症状がなかろうが、そういう細胞が見つかれば、疑いもなくがんです。
 風邪だって、「風邪の菌に感染し、炎症などを起こしている状態」だってことが既に分かってます。喉の細胞を培養して風邪の菌が出てくれば(時間がかかるからあまりやらないけど)、確実に風邪です。

 でも、○○症候群と言われている病気の多くは、そもそも正体が分かっておらず、発病の仕組みも不明なので、確定診断する方法がありません。医師が患者の症状を見て、「ほかに理由が見つからないし、どうもコレらしいね」ってことで診断します。でも症状の見方ってのは医師によって微妙に違ったりしますからねぇ。いくら学会などで定義を決めても、なかなかキレイには鑑別できません。慢性疲労症候群などにも、同じ問題があるようです。
 あ、症候群という名がついていても、その後研究が進んで正体が明らかになり、確定診断がつくようになった、って病気も勿論あります。AIDS(後天性免疫不全症候群)なんかがそうです。でもCRPSの研究は、まだそこまでの段階に達していません。

 そもそもCRPSという病名自体、使われるようになったのは1995年からとまだ日が浅いです1)。病気自体は、それ以前から「RSD(反射性交感神経性萎縮症)」とか「カウザルギー」という名前で知られていました。
 この2つは、発症の引き金となる怪我が違います。カウザルギーは神経の直接的な損傷がきっかけになるもので、戦争で負傷した兵士の中に酷い痛みに苦しむ人がいたことから発見されたといいます2)。私はこっちの方。一方RSDは、捻挫や手術など、神経の損傷がない小さな傷や、ちょっとした侵襲がきっかけて発症します。採血とか3)、骨折でギプスをはめたとか4)、心筋梗塞の発作を起こしたことか4)、実に様々なことが引き金になるようです。

 きっかけは違っても、その後の症状や経過はほぼ同じなので、「CRPS」という名前に統合されたようです。主要神経の損傷がないRSDを「CRPSタイプ1」、主要神経の損傷から発症するカウザルギーを「CRPSタイプ2」と呼んでいます。
 というのが大体の合意のようですが、医師によっては神経損傷があるタイプもひっくるめて全体を「RSD」と呼ぶ人もいて、ますます混乱しています。RSDというのは、当初どうも交感神経が関与していると思われたところから付けられた名前ですが、後に交感神経が関係していない症例も見つかったことから、より幅広い「CRPS」という名称に統一されたようです。
 でもまあ幅広いっつーか、要するに「身体の一部が痛い」ってこと以外、何も言ってないって病名ですよね。いかにも「何も分かってない」って感じがありありです(苦笑)。

 CRPSは発症の仕組みによって命名されたのではなく、ある一連の症状があるということを示しているだけですから、「実は全然違う複数の病気が入っていた」とか、「全然別の病気だと思っていたものが、実はこの病気の一種だった」とかってこともあり得ます。日本の大学病院ペインクリニックのD医師など、「CRPSという診断名は、よくわからない疼痛症候群のgarbage can(ゴミ箱)にするためのもの」と言い切ります。理由も治療法も分からない疼痛には、何でも「CRPS」という名前をつけて済ませちゃってる、という意味かと思います。うーむ。
 私の病気は、CRPSの定義は満たすものの、どうやらCRPS患者の多くより、経過がかなり良いようです(これでも・・・涙)。今のCRPSの定義の中には入るにしても、痛みが広がっていくような重症CRPSとは、どこか違うのかもしれません。勿論、やっぱり同じ病気で、今後、増悪に転じるって可能性だってありますが。

 近い将来、CRPSの発症の仕組みが解明されて、きちんと診断、治療が行われるようになることを期待しています。研究者さんには、是非頑張って欲しいです。

出典:
1)国際RSD/CRPS研究財団 標準的治療法ガイドライン第3版
2)痛みと鎮痛の基礎知識 -Pain Relief- より「CRPS」
3)採血後の痛み…「複合性局所疼痛症候群」家庭の医学All About
4)MediFocus Guide "Reflex Sympathetic Dystrophy" (2005)

スポンサーサイト

コメント

こんにちわ

人違いだったら大変申し訳ないのですが、以前来てくださったあつこさんでしょうか?

ブログ拝見しました。
もしよろしければ私のブログのリンクに貼らせていただけないでしょうか?

第一号のお客様ですね~

まめさん
そうです。そのあつこです。こんにちは。
まだ始めたばかりで、ブログの作り方も良く分かっておらず(笑)、もうちょっとちゃんとしてから闘病仲間にもお伝えしようと思ってたんです。自力で来て頂けたなんて感激です。リンク、もちろんOKです。

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://painlab.blog75.fc2.com/tb.php/4-e37e95d2

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。