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私って、CRPSなの? 1 (国際学会の診断基準) 

 先日書いたように、私の痛みについては「CRPS(正確にはCRPSタイプII)だ」と見る医師と、「神経損傷からくる疼痛。CRPSにはなっていない」と言う医師に分かれています。なんでこーなるんだ?と、ちょっと考えてみました。

 まず、神経損傷による疼痛って何かというと。
 事故などで神経を損傷すると、その部分は麻痺しちゃうから、動かないし痛みもない、と思っている人は多いと思います。でも実は、必ずしもそうじゃないのです。動かせず、通常の知覚は無くなっても、痛みはしっかりとある、というケースは少なくありません。私も事故直後は左足首から下がまったく動きませんでしたが、痛みは強烈でした。脊髄損傷で下肢が完全に麻痺している人でも、約7割は足や腰などに痛みを感じているという調査もあります。1)
 痛みというのは本来、身体が出す危険信号です。細菌に感染して炎症を起こしたとか、癌が増大してどっか圧迫しているとか、体に何かまずいことが起きているのを知らせるサインです。ところが神経を損傷すると、原因が無くても痛み信号を出し続けることがあります。怪我だけでなく糖尿病や帯状疱疹などの病気によって起きることもあり、こういう痛みを一般に「神経因性疼痛(ニューロパシック・ペイン)」と呼びます。

 じゃあ、CRPS(この場合はタイプII)って何?というと、「更に一歩進んで、神経の損傷だけでは説明しきれないような異常な反応が起こっている状態」(主治医)です。異常と言っても多種多様。皮膚が変色する、温度が変わる、爪が速く伸びる、関節が固くなる、骨が萎縮する、怪我をした部分以外に痛みが広がる・・・などなど。IAPS(国際疼痛学会)がまとめたCRPSタイプIIの診断基準は、こうなってます。2)

  1、神経を怪我した後に、持続する疼痛、アロディニア、または
    痛覚過敏がある。その場所は必ずしも、怪我をした
    神経が司る部分だけとは限らない。
  2、痛む領域に、腫れ、皮膚の血流変化、発汗の異常が
    起きたことがある。
  3、こうした痛みや、機能の異常を起こすような理由が
    他にない


 私の場合、1は確かに当てはまります。事故直後は、左足のふくらはぎの外側から足首、足の甲、そして足の裏に至るまでジンジンと痺れるような痛みがありました。シーツにちょっとでも触ると電気ショックのような激痛が起きるので、左足はいつもベッドから突き出して寝てました。(こんな風に、触るとか、指でなでるとか、普通だったら痛みなど感じないはずの刺激で激しく痛むことを、「アロディニア」と呼びます。)
 今はかなり良くなったとはいえ、アロディニアはやはり残っています。親指を中心に、足の甲と足の裏の先端3分の1ほどの領域。診察の際、時々医者に指でかるーくこすられますが、その度、うぁあああー、やめれ!と叫んでます。心の中で。
 ふくらはぎや足首の周りは感覚がむしろ鈍くなっていて、そのくせ椅子の角などが当たると結構ピリピリと痛みます。(こんな風に、軽い痛みですむはずのところが異常に強く痛むことを、「痛覚過敏」、または「ハイパーアルジシア」といいます。)
 こういったオーバーリアクション系の痛みのほかに、放っておいても痛い、普通の疼痛も相変わらずあります(前回に詳述)。モルヒネなどの痛み止めも手放せません。もっと良くなると思いたいのですが、事故からそろそろ1年たち、症状がかなり安定しちゃってるような気もします・・・。

 一方、基準の2については、当てはまるかどうか微妙です。CRPSの患者さんは大抵、患部には目で見てはっきり分かるような異常が起きています。パンパンに腫れていたり、皮膚が赤や黒っぽくなってツヤツヤと光る感じになったり。網目状、ウロコ状に変色している例もあって、痛々しいです。
 ところが私の場合、足の見かけは、ほとんど普通と変わりありません。事故からしばらくは皮膚が乾燥してガサガサになりましたが・・・これは単に左足を洗えなかった(痛くて触れず、せいぜいお湯につけるくらいだった)せいかも(笑)。半年ほどは左足が健康な右足より一回り大きくなってましたし、今も若干むくんでいますが、比べてみないとわからない程度。CRPSによくある凄い腫脹とは、ちょっと違う感じもします。爪が速く伸びたり、体毛が固くなるってこともありませんでした。
 痛む場所の温度変化はありました。事故後1、2ヶ月は左足首から下が熱いような感じがし、いつも氷嚢で冷やしていました。ところが3ヶ月目くらいから逆にどんどん冷えてきて、また冷えるほど痛むように。今度は氷嚢にお湯を入れ、常に足先に乗せておくようになりました。外出して足が冷えると強く痛むので、寒い日に出かけたら、帰宅後まずドライヤーの温風を左足に当てます。とにかくまず足を解凍してやんないと、何もできないです(笑)。
 でも、これもいつも冷たい、ということはありません。長時間座っている時とか、気温が低い時とか、冷える状況になった時により冷えやすい、という感じ。「皮膚の血流変化」を示唆しているような気はしますが、ぴったり当てはまるかとなると、よく分かりません。
 ちなみに基準の3については言うまでもなく、怪我以外に思い当たる原因はありません。
(この項続く)

 出典:
1)脊髄損傷に伴う異常疼痛に関する実態調査報告書、日本せきずい基金、2004年9月
2)Merskey H, Bodguk N, eds. Classification of Chronic Pain: Descriptions of Chronic Pain Syndromes and Definitions of Pain Terms. 2nd ed. Seattle, Wash: IASP Press; 1994:40-43. http://www.painbooks.org あつこ意訳

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