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モルヒネ持って日本に帰りたい 2 

 さて翌日。関東信越厚生局から入手した、2組の書類を見てみます。
麻薬取締部からファックスで送ってきた「携帯による医療用麻薬等の輸入・輸出の手続き方法」計8枚は、非常に分かりやすいです。申請時に記載するのは「携帯して輸入(輸出)しようとする麻薬」「入国(出国)する理由」「麻薬の施用を必要とする理由」など。そのほか医師の診断書が必要で、患者の住所、氏名、麻薬の施用を必要とする理由、一日当たりの処方量を記載して下さい(特定の書式なし)とある。ふむふむ。了解。
 一方、指導監査部門に教えられてダウンロードした「薬監証明の取得について」計8枚の方は、何が書いてあるのかさっぱり分かりません。携帯による持ち込み(手荷物)の場合は、「税関が発行した携帯品留置票」を添付せよとか、「当該品が保税蔵置されている場所の名称及び所在地を記入」せよとか、どうも、ブツが税関に着いた後に申請することを想定しているようです。自分で薬を持ち込む場合は、一体、どうすればいいんだろう?そのほかにもよく見ると、「薬の構造式」まで記載するようになっています。構造式って、カメノコとか、CとかHとかでできてるアレかしら? まあ、何とか調べられないこともないだろうけど、こりゃ大変だなあ・・・
 ちょっと意気消沈した私は、とりあえず「留置票」と「保税蔵置」(この言葉自体、知っている患者がいたらお目にかかりたいくらいだよ)の方を片付けようと、もう一度厚生局に電話をかけました。すると、今回出てきた担当さんは、明るい声でこうおっしゃいました。
「麻薬の場合は、麻薬及び向精神薬取締法の所管になりますので、薬監証明は要りませんよ」
 はあ?何か話が昨日と全然違うんですけど・・・。
「麻薬取締部の方で、麻薬輸入許可の手続きをお聞きになったんですね。麻薬及び向精神薬取締法の方が、厳しい法律なんです。そちらで厚生労働大臣の許可を取られたら、それで終わりです。厚生労働大臣は2人はいませんから」 
 いやまあ、確かに2人はいませんが、そういう話じゃないような・・・。でもまあ、規制機関の担当者がいらないというものを、当方が要ると食い下がるのも変な話だし・・・。呆然とした私はとりあえず、わかりました、と言って、電話を切って寝てしまいました。(何しろこっちは夜中なのだ。)

 さて、一晩寝て起きて今日になっても、当然疑問は解消されませんでした。もう1回関東信越厚生局に電話かけてもなー。要ると言われても要らないと言われても、疑問が残るし。
 悩んだ私は、再び厚生省医薬食品局監視指導・麻薬対策課に電話しました。電話で事情を説明し、要するに薬監証明って要るんですか?と聞いてみたが、「それはこちらではお答えできません。我々は関東信越厚生局をご紹介したわけですので、そちらで納得されるまで聞いて下さい。ではよろしくお願い致します。ガチャリ
 あれ、いきなり電話を切られちまった。うーむ。厚生局の対応に文句つけてると思われたんかな。で、同じように文句つける奴が多いんで、その対応もすでに手慣れてるって感じだな。うーむ。さすが、ニッポンのお役所だ。コノヤロー。
 しかし困ったなあ。どうしよう・・・。私は悩んだ末、関東信越厚生局にもう一度電話をかけました。そして、一昨日と昨日で違うことを言われたこと、どちらを信じればいいのか混乱していることを説明し、「モルヒネを持ち込む際に薬監証明が要るのかどうか、責任あるご回答を頂きたいのですが」と、今度は少し強気に出てみました。と、返ってきた説明はこうです。
 「薬監証明の申請というのは本来、物が税関に届いてから出すものなんです。事前に申請するというのは、あくまで特例です」
 「医薬品は、税関で止められなければ、そのまま持ち込んで構いません。でも税関が何らかの理由で疑問を持って止め、薬監証明を取ってください、と言われる場合があるということです。税関がどのように判断するかは、我々には分からないんです」
 「麻薬及び向精神薬取締法による輸入許可証を取っていれば、通常は、あくまで通常は、大丈夫だと思います。でもあなたが持ってくるものを税関が麻薬と判断するかどうかは分かりません。薬といっても変なものを持ってこられることもありますし、税関がどう判断するか、こちらでは何とも言えません。厚生局がこういった、という言質を取りたいんでしょうが、私どもは保証できないと申し上げているのです」
 あー、そういうことか。つまり、普通は輸入許可証だけで大丈夫なのね。でも「厚生局が大丈夫だと言った」という言質を取られたくないから、それはハッキリ言わない、と、こういうことね。でもこれじゃ患者は、どうすればいいのかわからないよ。万一のために薬監証明も取った方がいいの?それとも要らないの?
 しかも「言質を取りたいんでしょうが」だの、「変なものを持ち込むかも」だの、どうしてこんな言い方するんでしょうねえ。こんな風にねちねち責められたら、ただでさえ気力が弱ってる患者は、地の底まで落ち込んでしまいます。半年前のヘロヘロの私だったら、受話器を握る気力すらなくしてたよ。まあ、今の私の口調を聞いて、患者本人だと思う人はいないかもしんないけど、でも口だけ元気出していたって、痛みの問題は切実なんです。

 と、ここまで書いた後、同僚と電話で話していたら、「それなら、成田税関に問い合わせてみりゃいいんじゃないですか?」と言われました。・・・そうか。そりゃそうだわ。
 と、いうわけで、早速、成田空港の税関相談官に電話。そしたら、至極あっさりと「モルヒネは、麻薬及び向精神薬取締法での扱いになります。薬監証明は関係ありませんよ」・・・と、ものの10秒で聞きたいことが分かってしまった。拍子抜け~。

 それにしても、厚生省医薬食品局監視指導・麻薬対策課および関東信越厚生局指導監視部門の皆様。担当業務以外のことについては一切説明できない、というなら、それはそれで仕方がありません(ちゃんと要らないって明言して下さった方もいたけど)。でも、それならなぜ「それは税関に聞いてみて下さい」と一言、言って頂けないんでしょう? 同じような問い合わせが、今までまったくなかったとは思えません。その全員を、こんな風に扱ってこられたんでしょうか?やりきれません。

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コメント

ホントにお疲れ様でした(^^;
相手の立場に立っての対応をしてくれ~って感じですよね。ただ分かりにくいから聞いてるだけだし、ありのままの状況を伝えているだけなのに、どうしてそんな対応なんじゃ?と呆れることばかりですね。たらいまわしに責任逃れな対応をするなんて!(怒)

>RUNさん

RUNさん、どーもです。
最近、米国の病院や保険会社の対応に驚き呆れ、日本が恋しくなっていた私ですが、日本のお役所ってのも、なかなかどうしてなのだったと、しみじみ思い出してしまいました。最終的にちゃんと分かって良かったですけどね。しかし、厚生局の対応はほんと不思議です。要するに、最初に間違えてしまったってことを、認めたくなかっただけなのかしら?

お疲れ様でした。
もうお役所仕事だし★痛みで辛い思いしてる人の気持ちも分からないんですね★人としても残念な対応でしたね★

>桜ちゃん

どーも、コメントありがとうさんです。
いやあ、必要な手続きを調べるだけで、こんなにエネルギー取られるとは思わんかったわ。しかも考えてみると、まだ申請するとこまですら行っとらんのよね・・・。君のゆく~道はぁ~果てし~なく遠い~♪と、思わずアタマん中で歌が流れてしまいました。(笑)

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