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同時進行ルポ・自分の病気の論文を探してみる 1 

 先日ガバペンチンの紹介を書いていて気がついたんですが、私の手元には、「CRPS、あるいは神経外傷後の疼痛の患者さんにこの薬を投与したら、こうなりました」と報告している論文がありません。この疾患になってから、神経因性疼痛に対する臨床試験の論文はかなり集めたんですが、ほとんどは帯状疱疹後の疼痛か、糖尿病性の疼痛の患者さんが対象です。たまに疾患を限定せず、「アロディニアハイパーアルジシアがある人」を対象にしている論文もありますが、よく読むとやっぱり病気に起因する疼痛が多いみたい。

 日本の大学病院のF医師は「帯状疱疹後の疼痛に効くなら、CRPSにも効く可能性が高いですよ。(痛みのメカニズムは)ほとんど同じですから」とおっしゃいます。それはそうかもしれませんが、「ガバペンチンの実力 2」で書いたように、帯状疱疹後や糖尿病性の疼痛には効果があったのに、CRPSタイプ1ではハッキリした効果が見られなかった(ないとは限りませんが)、なんて例もあるわけで・・・。私はやっぱり、同じ病気の患者に直接薬を投与してみて、その結果がどうだったのか、という臨床試験について知りたい。というわけで、CRPS/神経損傷の臨床試験の論文を探してみることにしました。

 ここで、なぜ論文なの?本を読むとか、先生に聞いてみる方が早いんじゃない?と思った方も多いと思います。この点について、あつこなりの考えを書いておきますね。
 現在、あらゆる治療は、臨床試験によって効くか効かないかを判定されます。患者さんを、その治療をするグループとしないグループに分け、経過を比較するのです。効果はあったか、副作用はどうか、死んじゃうようなことはなかったか。治療を受けている間は、患者はもちろん医師にも、どの人が治療を受けているか、どの人がプラセボ(ニセ薬)を飲んでいるかが分からないようにします。そんな風にきっちり行われた臨床試験というのは、薬の効果を判定する一番確実な方法で、それを報告する論文は、最も信頼できる情報源です。

 でもそれはお医者さんが読んで、患者に最適の薬を選んでくれるのでは?と思うかもしれません。確かに原則はそうなんですが、ハッキリ言って、お医者さんだって忙しい。あらゆる病気について最新の論文をくまなく読み、勉強しているヒマなんてありゃしません。ましてやCRPSなんて、患者は少ないし治療はハッキリしないし、よっぽどの専門医でない限り、最新の状況をフォローするのは難しいでしょう。
 その点、患者は自分の病気だけに集中できます。CRPSの患者は何年、何十年と痛みと付き合っていかざるを得ないので、調べる時間はタップリあります。患者が自分で情報を得て、「こないだの『PAIN』にこんな結果が出てましたが」とか、「最近でたファイザーのガバペンチン、どう思われますか」などとハッタリかませば、もとい、丁寧に質問すれば、先生も慌てて勉強します(笑)。いや、ホントの話。で、患者が論文読んだくらいじゃなかなか分かんないことを、教えてくれたりします。

 それに、どんな医師だって、患者の状態や希望を、100%把握するのは不可能です。臨床試験の論文を自分で読んでいれば、先生に「○○を試してみましょう」と言われた時、「それって、腎障害出ますよね。私、腎臓悪いんですけど」とか、逆に「それ、NNTそれほど良くないんじゃないですか。体力は大丈夫なんで、もっと効果が高い薬をやってみたい」とか相談できます。

 もう一つ、日本にはないけど海外では広く使われ、効果が確認されている、という薬が見つかることもあり得ます。ガバペンチンだって、アメリカでの承認から13年遅れたわけですし。こういう治療については、日本の先生は(たとえ知ってても)向こうからは教えてくれません。でも実を言えば、海外からそうした薬を自力で輸入し、医師と相談しながら使う、という手段はあるのです。そうした手段を取ることを、私は決してお勧めするわけじゃないですし、やってみた結果にも責任は取れませんが、選択肢のひとつにはなると思います。法律上も合法です。この話は、またいずれ詳しく書きますね。

 どんな病気でも、本人より切実に情報を欲している人はいませんし、本人ほど自分の痛みをよく知っている人はいません。ほかの多くの病気と違って、CRPSは症状を取ることがゴールです。本人が治療を熟知していることが目標への早道だと、私は感じています。

 閑話休題。ってか、寄り道し過ぎちゃった。「ゴタクを並べるより実用に徹する」ってのがこのブログのコンセプトなんだけど、全然その通りになってないな。
 気を取り直して、先へ行きます。論文を探す時、私はまずPubMedを利用します。米NIH(米国立衛生研究所)が、ほとんどあらゆる医学文献のアブストラクト(概要。通常、論文の一番最初についている部分)をデータベースにし、それをウェブ上でタダで公開してくれているのです。いやあ、太っ腹だねえ。日本の国立研究所も、これくらいのことをしてくれたら見直すんだけど。英語にアレルギーがない人、あるけど背に腹はかえられない人(私です)には、これが最もおススメです。CRPSに限らず、あらゆる怪我・病気の、世界最新の治療法を、くまなく調べることができます。
 臨床試験の論文だけでいいなら、左サイドバーの「Clinical Queries」ってとこをクリックして、一番上に「CRPS」と入れて検索します。10月4日時点で、全25件。少ないなあ。「RSD」でも27件。「アロディニア(allodynia)」だと109件。「神経因性疼痛(neuropathic pain)」151件。「神経損傷」・・・これはnerve injuryでいいのかな。おお、313件だ。でもきっと痛み治療だけでなく、手術の話なんかが沢山入ってると思う。
 というわけで、ようやく論文の一覧表が取れるところまでこぎつけました。・・・力尽きちゃったので、この項続きます。




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